鳥取県文化振興財団情報誌【アルテ】

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2014December

鳥取県芸術家百華Vol.66 リトルバレリーナ主宰 吉田 奈穂美さん

バレエとの出会い

姉がバレエを習っていて、自分もやってみたいと思いバレエ教室「倉吉つぼみ会」に入ったのが始まりです。その時、教えていただいた先生に出会わなかったら、今の私はありません。小さい時に、見たことのない、味わったことのない、心が動かされるものに触れることは大切です。私は毎週日曜日にバレエを習いに行き、大きなお姉さんと一日中一緒に居られることがすごく幸せで、自分の練習が終わってもみんなの踊りを見ていました。しかし、今の子は、いくつものお稽古事を掛け持ち、時間に追われているように感じます。

その後、父に背中を押してもらい、大阪のバレエ団に入団し、たくさんの公演に出演し倉吉に戻ってきました。社会人になりバレエから一度離れましたが、客観的に見た時に改めてバレエの良さが分かり、より好きになり、外にはいろんな世界があることを知りました。「リトルバレリーナ」を設立して20数年、今は、その世界を子どもたちに伝えたいと強く思っています。

他ジャンルとのコラボのきっかけ

「チッチと♪(おんぷ)と小さな鍵※」に参加させていただいたのがリトルバレリーナにとって初めてのコラボで、大きなチャンスでした。その時に、「良いものを作りたい、人が心を動かすものを作りたい、バレエを観た方に上手ではなく“綺麗”と言ってもらいたい」と強く思いました。また、公演を行っていく上で、一緒に行うみんなのテンションが同じラインにないと良いものはお届け出来ないことも学びました。

翌年にはこれをきっかけに、鳥取シンセオーケストラさんにお誘いいただき、全幕バレエ「くるみ割り人形」を生演奏で上演するという貴重な体験が出来ました。また、和と洋の調和のコラボを美しく作り上げることが出来た打吹童子ばやしさんとの里見伝説「新・八犬伝」上演など、皆さんに違った世界への扉を開けていただいたと、ありがとうの気持ちでいっぱいです。

今後の展開

個人で教室を持ち指導していく中で、子どもを預かる責任と自分の力不足を感じました。そこで、バレエ団時代の恩師の「生徒は先生以上にならない」という言葉を胸に4年前より米子と大阪でレッスンを受講し、バレエと指導する技術を学んでいます。

また、子どもたちには外の世界を見せないといけないと思い、コンクールに挑戦してみようと話しています。今年11月に倉吉未来中心で上演した「倉吉里見物語」は、5団体で作品を作り上げましたが、出演者の作品への想いの深さから不思議な空気感が生まれ、改めて芸術というものに感動を覚えました。この感動を子どもたちに伝え、みんなが羽ばたいた後も、バレエをやってきたことが今後の人生に活きていけば嬉しく思います。

公演のようす
コラボ公演 GRAPELE JAM コンサート
「midnight zoo」より

公演のようす
第3回 リトルバレリーナ発表会
「眠れる森の美女」より

※ 2009年11月に開催した鳥取県文化振興財団主催のヤング・プロデューサーズ・シリーズVol.1の音楽公演

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