鳥取県文化振興財団情報誌【アルテ】

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2014June

鳥取県芸術家百華Vol.61 鳥取県文化団体連合会  会長 小谷  幸久さん

音楽との出会い

中山中学で入部した吹奏楽部がきっかけです。当時、顧問として鳥取県吹奏楽の草分け的存在であった津山先生がおられ、そこでフルートに出会いました。この出会いがその後の音楽活動のきっかけとなり、私にとって非常に大きなものとなりました。

大学卒業後は鳥取に帰り、高等学校の音楽教員となりました。最初の赴任先の米子南高校は吹奏楽部がなかったため、部活動の立ち上げも行い、その後、米子東、米子西と指導してきました。その傍ら個人的にフルートを教えたり、昭和58年に津山先生に会長をお願いして、「山陰フルート協会」を立ち上げ、演奏活動を続けてきました。主催する「フルートフェスティバル」も13回目を開催することができ、このような協会の活動により山陰のフルートのレベルはとても高くなりましたね。

文化芸術と地域をつなぐ文化の殿堂

西部の音楽に携わる多くの人は、音楽活動を通して公会堂に育ててもらったという想いを持っています。また、市民の皆さんにとっては「一世帯が毎日一円を貯めて公会堂を」という市民運動がきっかけで誕生した米子のシンボルなので、非常に想い入れの強いものです。

一時期存続が危ぶまれていましたが、公会堂の充実・存続を求める様々な活動を行い、最終的には5万筆近くの署名陳情を経て、ようやく存続することができました。

公会堂はこの地域に在り続け、芸術と地域の皆さんをつなげる貴重な場所として、賑わいを作ってきました。これからも街の開かれた拠点として人々が集える場所となることを願っています。

また、この度オープンした鳥取県文化振興財団「アルテプラザ」も同じで、そこに在るということで、“つながる”という大きな役割を果たしていますね。

鳥取の若者に伝えたいこと

教え子達には、人生の早いうちに「一流の芸術に触れなさい」と言い続けて来ました。私自身、絵に詳しくはないですが、日展など一流の作品を見に行った時は、圧倒され、見るだけで大変疲れます。でも、心地のよい疲れです。

芸術に興味関心がなくても、一流の芸術に触れることで得るものがあり、感性が磨かれ、人間形成に大きな影響を与えてくれると思います。

公会堂は、従来からの形は変わっていませんが、音響はさらに良くなっています。リニューアル記念で開催される「大阪フィルハーモニー交響楽団演奏会」は大編成公演の素晴らしい響きを体感できる最初の公演になるのではないでしょうか。

芸術と地域の皆さんがつながり、これからを担う若者達が素晴らしい会場で一流の芸術に触れることができる機会が守られたことを非常に嬉しく思います。

第22期定期演奏会の様子
「アルテプラザ」オープニングセレモニー(2014.4.12)の様子

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