鳥取県文化振興財団情報誌【アルテ】

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2014April

鳥取県芸術家百華Vol.59 鳥取県吹奏楽連盟副理事長  マリンバ奏者米原真吾さん

音楽との関わり

小学1年生からピアノを習い始め、ピアノは大学院までずっと続けていました。小学5年生のころ、コンサートでピアノとフルートのアンサンブルを聴き、「フルートを吹きたい!」という想いで中学校の吹奏楽部に入部したことを覚えています。最初はフルートでしたが、顧問の意向で打楽器に配置替えとなり、そこから30年くらい打楽器を専門にしています。音大を目指すきっかけになったのは、高校1年生の終わりです。当時の顧問と話をしていて、「米原は音大を目指すんだよね?」と言われ、その流れから音楽を専門にすることを決めました。

現在は顧問として中学校吹奏楽部の指導にあたりながら、教え子とアンサンブルグループを結成し、音楽活動もしています。最初は数名でしたが、倉吉で開催された「第30回アザレアのまち音楽祭2012」に出演した時は10数名で打楽器アンサンブルを演奏し、現在では山陰で規模の大きな打楽器演奏グループとして活動させていただいており、とても感謝しています。グループのメンバーとは師弟関係ではありますが、“ひとりのプレイヤー”として尊敬していますし、何より一緒に活動できることがとても嬉しいですね。

第30回アザレアのまち音楽祭2012より

教育者として音楽を続けている想い

"なぜ音楽を続けるのか"。その答えを見つけるために続けているのかもしれません。

でも、やっぱり音楽は自身を伝えるひとつの表現方法でもあるし、その素晴らしさを伝えたいから、続けているのかもしれませんね。生徒の人生が、音楽に関わることで豊かなものになって欲しい。そう思っています。

それから、みなさん意外と知らないことだと思うのですが、鳥取県の学校・団体は、マーチングやアンサンブルでは出場経験はあるんですが、過去60回ある全日本吹奏楽コンクールにおいては、一度として全国大会に出場したことがありません。指導者のひとりとして全国大会に導きたい、という想いは強くありますね。コンクールがすべてではないけれども、でも、鳥取県は一度も全国の舞台に立っていない。やっぱり、挑戦したいですよね。

それから、自分自身も先生の影響を受けていたように、顧問として生徒に影響を与える事って大きいと思うんです。たまたま部活に見学に来た生徒がのちにマリンバ日本一になったり、「将来は大工になる!」と言っていたテニス部の生徒が吹奏楽部に転向し今では音楽の教員をしていたり、ほかにも、音楽大学や国内外の第一線で演奏家として活躍しようとしている教え子もいます。演奏家や音楽の教員だけではなく、私の教え子だった生徒が今、私の目の前でこうしてインタビュアーとして音楽に携わる仕事をしてくれていたりします。自分が影響を与えたと思うと恐ろしくも思うけれど、それでもやっぱり嬉しいですよね。だから、今でも続けていられるんだと思います。

吹奏楽の活動をしている中学生への想い

今吹奏楽をしている中学生の皆さん、それから、これから吹奏楽を始めたいと思っている皆さん。まずは、楽器と仲良くなりましょう。そして、楽器を、音楽を通して、友達を作りましょう。一緒に頑張ることができる吹奏楽は、とても楽しいです。きっと、学生時代に吹奏楽に関わった経験は皆さんの人生を豊かにしてくれます。練習はきつかったけど、振り返ってみると続けてよかったな、そう思ってもらいたいですね。

そして、顧問として指導している一方で、多くの先生と協力しながら中学校の選抜バンドを結成しています。自分の学校だけではなく、他校の生徒と一緒にバンドを組むことは、お互いを刺激し合える良い環境だと思います。そこで得た刺激を、自分の学校に持ち帰ることで、お互いに切磋琢磨出来ますし。オーディションを行いますので、ぜひ参加してみてください。

楽器は何も話してくれませんが、その時の気持ちに合わせて音として答えてくれます。その音が友達と重なり、そして想いも重なって音がどんどん響き、聴いている人の心にも響きます。

これからも吹奏楽を楽しみましょう!

リサイタルの様子

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