演じることが好き
中学校最後の文化祭のクラス別演劇発表で、生まれて初めて「演じる」という経験をしました。ステージへ立つことについて恥ずかしいと思う気持ちはなく、ただただ楽しく演じられました。結果は学年で最優秀賞。もともとテレビで俳優さんが演じるものを観たり、本を読みながら台詞を声に出して言ってみたりすることが好きだったので、お芝居を自然と好きになったのだと思います。
そして、高校では演劇部に入部。けれど部員が少なくて、2年時には廃部となってしまいました。それからしばらく経っても、やっぱり演じることに関わっていたいという想いは変わらず、劇団を探すことにしました。
心に響くお芝居を
そんなある時、『市民影絵劇団みく』の公演を観に行きました。とてもきれいな影絵と、その影にあわせて演じるという、影絵ファンタジーの世界観に魅了され、劇団に興味を持ちました。
公演後に挨拶へ伺って、とんとん拍子に入団が決定。それから稽古を経て、「栗鼠の森」に出演、そして最近では「めでたくかしこ」という作品で、皇女・和宮親子内親王を演じました。お芝居の始まりから終わりまで、ずっと舞台上に出っぱなしの役でした。人と向き合っての対話でなく、影を相手に話かけることが多い難しい役柄でしたが、演技を磨くことができ、良い勉強になりました。公演後、「いつもと全然印象が違うね!」と声を掛けてくださった方がいましたが、それは私にとって最高のほめ言葉でした。この作品には思い入れが深く、再演が叶ったらもっともっと良いお芝居を届けられる自信があります。
台詞がなくても、表情やしぐさで伝わる何か。舞台を支えてくださるスタッフに感謝しながら、観ている人の心に響くお芝居をしたいと思っています。
『誰かの後ろをついていくのではなく、
自分で歩くからこそ迷うのだ』
私の心に留めている言葉です。人が選んだ道をついていくことは簡単なこと。でも自分自身で一歩ずつ歩んでいるから、自分の進むべき道に迷いが生じます。
実は今、これからの歩む道に悩んでいます。大好きな地元に残り演劇を続けるのか、それとも県外へ飛び出し新しい演劇の道を歩むのか…。自分自身でしっかり悩み抜いて、その答えを見つけたいと思います。
2012年の夏に入団して、まだ1年半ですが、人との出会いが広がりました。そして、もっとお芝居が上手になりたいという気持ちは溢れてきます。そのためには、まだまだ勉強不足。いろいろな公演に足を運んだり、これからの人生で悩んだりしながら経験することを糧にして、演技を磨いていきたいと思います。