鳥取県民文化財団情報誌 アルテ
2009年2月
アルテとはスペイン語で「芸術・美術・技巧」などの意味で、英語では「アート」。アルテでは、県民文化会館をはじめ鳥取県内の文化施設のイベント情報を紹介しています。

学校に、アーティストがやってきた!!〜見る・聴く・演奏する・踊る〜

今、学校では決められた授業だけでなく、“表現”という部分が重要視されており、多様な芸術体験が大切と考えられています。そこで鳥取県文化振興財団では、文化施設で行う公演とは別に、県内の音楽家など登録アーティストを講師として、県内の小・中学校に派遣する事業「とっとりの芸術宅配便」を、平成15年から開催しています。今回は、この取り組みをご紹介します。

とっとりの芸術宅配便

事業内容について
子ども達を対象に、県内・県出身のアーティストが講師となって、小・中学校などに直接出向き、鑑賞公演、体験ワークショップを行います。通常、ホールで行う公演とは違い、学校などの要望を取り入れた独自のプログラムを作成し、講師とも身近な距離で、子ども達により深く文化芸術の体験の場を提供する事業です。
実施について
当財団では、時代を担う青少年を心豊かに育み、文化芸術への関心を高めたいと考え、ホールでの主催事業を行ってきました。しかしながら、ホールでの舞台芸術鑑賞の機会はなかなか限られています。そのため、こちらから子ども達に近づいていき、より多くの子ども達に文化芸術の生の素晴らしさを体験して頂く事業として、鳥取県教育委員会との共催により6年間取り組んでいます。これからも、質の良い芸術の「宅配」が行えるように、アーティストとともに趣向を凝らしていきたいと考えています。

今までの実施状況

実施年度(平成) 実施回数 受講児童・生徒数
15年度 55回 約 6,000名
16年度 51回 約 5,000名
17年度 75回 約 6,070名
18年度 87回 約 8,850名
19年度 85回 約 10,600名
20年度 60回 約 8,240名(予定)

* 平成21年1月10日現在

ジャンル

声楽
ヴァイオリン
ピアノ
ゴスペル
アフリカ音楽
吹奏楽
オーケストラ
邦楽(筝・三絃・尺八)
日本伝統芸能(狂言、日本舞踊)
郷土芸能(和太鼓) 
ミュージカル
表現ワークショップ
ヒップホップダンス など

受講された感想

児童・生徒

きれいな声だなと見とれてしまいました。
演奏を生で聞くのは初めてなので、今日の演奏は大切な思い出にしたいです。
文化祭があるので、参考にしようと思いました。
途中からノリノリになって、今を楽しもうと必死でした。
僕たちはもうすぐ卒業ですが、これからの子に見せてあげてください。

学校の先生

ふだんあまり聴く機会のないクラシック音楽に親しめ嬉しく思いました。
体育館の隅々に響き渡る美しい歌声に感動してしまいました。
バラエティに富んだプログラムで、楽しい時間を全校で過ごせた。
生徒の心の成長に役立ったと思います。
子ども達は初めての体験でしたが、達成感を味わうことができたと思います。
笑顔が多く、やってみたいと手を上げる子があったことを嬉しく思いました。

今年度から、初めてヒップホップダンスが芸術宅配便に加わりました。
学校教育の中に入ることについて、どう思われますか。
非常に嬉しいという素直な気持ち、そして、ヒップホップダンスが子どもの教育上、成長段階で非常に役に立つものであることを知って頂ける機会が増えたことに感謝しています。
学校の子ども達の前でのダンスをすることや、指導はいかがですか?
非常に楽しいです。普段は、ダンスに興味を持っている人たちに指導をしていますが、学校ではヒップホップを知らなかったり、ダンスは自分には出来ない!って思う子ども達が多いと思います。
そんな子ども達が一生懸命にステップを覚えようとする姿、汗いっぱいかいて笑顔で踊ってくれる姿に喜びを感じます。授業の最後になればなるほどテンションもあがりますね。各学校をまわらせて頂き、子ども達の純粋さや笑顔にパワーをもらっています。
子ども達に、ヒップホップダンスを通じて何を伝えたいですか。
授業の中で子ども達に言っていることなのですが、「何事も一生懸命に取り組んでほしい」と思っています。勉強も、遊びも、何もかもです。たった1時間の授業で踊れるようになるなんて正直難しいです。でも、出来なくてもやってみる、やってみたら出来るかもしれない、だから、最後まであきらめない。一生懸命にやることの大切さを感じとってくれたらなと思っています。

 

石田さんは、講師として6年目ですが、和太鼓が学校教育の中に入ることについて、どう思われますか。
やはり緊張しますし、このような普段できない体験が子ども達にとって重要であると、年々思いが深くなります。
子ども達の前で演奏することや、指導はいかがですか?
意外なところで反応、感動してくれます。小さなことも大事なんだと、こちらが気付かされます。
あと楽しく指導することは、一番難しいことだと思います。
子ども達の感想文を後で頂くのですが、とても自分たちにとって、今後の活動の参考・勉強になります。
感受性豊かな子ども達の前で、何かをするということは、責任重大です。
子ども達に、和太鼓を通じて何を伝えたいですか。 
自分が何かを上手くなりたかったら、小さなことを大事にしてほしい!まわりにいる友達を助け、友達に助けられていると感じてほしいですね。

 

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