『上気した顔の隣の男性は、感極まって立ち上がり、拍手を送る。2階からは大きな声でブラボーの声が上がる。梨花ホールの満場の客席はアンコールを熱望する拍手、拍手、嵐のような拍手。「すばらしかった。」…皆の笑顔が全てを語る。あ、指揮者の再登場だ。世界を魅了するマエストロだ。白髪が歩くたびに大きく揺れる。拍手は一層の高まりをみせ、すぐに鳴りやんだ。客席の誰もが全神経を耳に集中して、アンコール曲の出だしを待つ。静けさの中で、おもむろに指揮棒が動き始めた……。』
ん? 抜け出せないこたつに潜り込んでいたら、うつらうつらと夢を見てしまったようです。 あらためまして、皆様、新年明けましておめでとうございます。本年も「鳥取県文化振興財団」並びに「とりぎん文化会館」「倉吉未来中心」をよろしくお願い申し上げます。
先ほどの夢の続きは別にして、一夜の夢でなく、将来についての夢を持ち、夢を語ることは、個人の人生でも、仕事に取り組む場合でも大切です。
しかしながら、指定管理者制度の現実の中で、財団と会館の管理運営に関わる者として、文化芸術の夢ばかりを語ることはその夢におぼれてしまう危険性をはらんでいます。やはり「夢」と「経営コスト」の両方に軸足を置き、バランスある運営に努めていく必要があると痛感します。そして、そのバランスの基礎になる重要な要素が、日頃の県民の皆様からのご意見であり、「声」だと思っています。
新しい一年、皆様からのいろいろな「声」をお伺いしながら、引き続き「県民目線」を肝に銘じて、文化的公共サービスの提供に努めて参りたいと考えております。 |