地域の文化資源を生かしたアートツーリズムが注目を浴びている。いわゆる文化芸術による地域づくり型の観光振興である。
全国的には、「現代アート」の香川県直島、「北斎と栗と花の街」長野県小布施町などが有名であるが、そこには街づくりへの一貫したこだわりがあり、地域づくりのコンセプトを愚直なまでにアピールしている。
県内に目を転じると、今「鹿野」に熱いものを感じる。2008年度都市景観大賞「美しい街並み賞」を受賞されるなど従来から街並み保存に力を入れているが、これに加え、「鳥の劇場」の取り組みで全国的に脚光を浴びつつある。「鳥の劇場」の活動については既にご承知の皆さんも多いと思うが、現在は廃校となっている旧鹿野小学校を活動拠点として、2006年から独自の演劇活動を行っている。もともと鹿野町は創作ミュージカルを20年以上制作、上演されるなど県内でも屈指の地域活性化に対する意識の高いところであった。ここで今まさに演劇活動と地域活動とが融合されようとしている。
文化は地域の元気の源といわれる。新たな文化の創造が地域の元気度を増し、他地域の人々を引き寄せ、それにより地域住民の自信と誇りにつながるといったプラスのサイクルを生み出すのだと思う。
これからも鹿野の挑戦を応援していきたいし、多くの地域でこういったアートツーリズムの動きが出てくることを期待している。 |