鳥取県民文化財団情報誌 アルテ
2008年10月
アルテとはスペイン語で「芸術・美術・技巧」などの意味で、英語では「アート」。アルテでは、県民文化会館をはじめ鳥取県内の文化施設のイベント情報を紹介しています。

三花繚乱 〜華麗なる響演、第2回知事賞受賞者コンサート〜

「百花繚乱(ひゃっかりょうらん)」様々な花が彩り美しく咲き乱れることを表現したこの美しい言葉。その名にふさわしい『知事賞受賞者コンサート』が今秋開催されます。“地元アーティスト支援事業”の一環として、当財団が主催している「人材発掘オーディション」にて、その栄えある最優秀賞を獲得された鳥取県知事賞受賞者が、プロ・オーケストラと共演します。このコンサートの主役は、新進気鋭の魅力溢れる3名の女性アーティストで、彼女たちによるステージはまさに咲き乱れる花々の如く華麗なものとなるでしょう。百花繚乱ならぬ「三花繚乱」。今回はステージ上では見られない彼女たちの素顔に迫り、鳥取県の“若き至宝”である3名のアーティストを身近に感じていただけたらと思います。
安部 可菜子(あべかなこ)
		  (米子市出身)
		  ピアノ
		  平成17年度ピアノオーディション
		  知事賞受賞
		  自分を解放して、もっと楽しく!
印象に残っているステージを教えてください。
一番印象に残っているのは、5年前(平成15年)に初めて地元の米子で開催したソロ・リサイタルです。
とにかく緊張したことしか覚えてないです。チケットが売れていることが逆にプレッシャーで(笑)。
困ったなぁ〜、どうしよう〜って。チケットが売れるって本当は嬉しいコトなんですけど。
現在は指導をされているそうですね。
はい。今年から上野学園演奏家コースで学生に音楽を教えています。人に教えるのは本当に難しいです。自分が米子で勉強していた頃を思い出して、教える側の苦労がひしひしと…(笑)。
これからの夢、チャレンジしてみたいことはありますか?
ちょっと違うかもしれませんが…最近本当にピアノが楽しめるようになってきたんです。楽しく演奏しなきゃ損!という感じで。だから自分をどんどん解放してもっと自由に自分を表現したいですし、もっともっと楽しんで演奏したいです!
今、音楽をがんばっている後輩たちへメッセージをお願いします。
とにかく基本が大切です。そして、何でも良いので楽しみをみつけて決して音楽をキライにならないでください。
どうしても最初は“やらされている感”が強いと思いますけど、何でも良いので自分なりの“楽しみ”をみつけていつまでも続けてくださいね!
事業担当
からの
ひとこと
お話を伺いながらとても印象に残ったのが、安部さんの口から何度も出て来た“楽しく”“楽しむ”という言葉。簡単そうで実は難しい“楽しむ”という問題…。そんな難問の答えが見つかりつつある安部さん。コンサート当日は、新しい境地へと足を踏み入れた安部さんの演奏をお楽しみください。
浦池 佑佳(うらいけゆか)
		  (鳥取市在住)
		  ソプラノ
		  平成18年度 声楽オーディション
		  知事賞受賞
		  感謝の気持ちを忘れないで!
練習方法や気をつけていることはありますか?
歌うことって、自分のノドが“楽器”になるんですが、他の楽器と違って壊れても交換ができないので、休ませる時、歌う時とメリハリをつけるようにしています。それと、歌詞の覚え方は、何故か他人が歌っているもの(原曲)を聴いても覚えられないんです。だから、一度自分で歌っているのをMDとかに録音してそれを聴きながら覚えるようにしてますね。すごい回り道ですが(笑)。
ステージに上がる前に必ずすることはありますか?
4つあります!1つ目はお守りにお祈りすること。2つ目は身体をほぐすため舞台袖で動くこと。3つ目はアメを食べること。これはイタリアで買ったもので、ちょっと前までは日本でも売ってたんですが…どうしましょう(笑)。で、4つ目はピアノ伴奏の方との握手です。今日もよろしくお願いします!という感じで。この4つは必ずやらないと落ち着かないです。ゲンかつぎみたいなものですね。
これからの夢、チャレンジしてみたいことは?
もっと上手になりたいです(笑)。今、子どもたちや市民の方々とオペラを作っているのですが、音楽で鳥取をもっと盛り上げたいです。衣・食・住ではないですが、“音楽”って生きていく上で絶対必要なものだと思うんです。せっかくその“音楽”をやっている訳ですから、もっともっといろいろな形で鳥取の街づくりに御協力できれば嬉しいですね!後はその中から子どもたちが育って、ひとりでも音楽の道に進んでくれたら言うことなし!です。
今、音楽をがんばっている後輩たちへメッセージをお願いします。
まず、自分を支えてくれているたくさんの方への感謝の気持ちを忘れないこと!親、仲間、先生、聴いてくださる方…周りの方全てに感謝の気持ちを忘れないことです。音楽的なことで言うと、とにかくコツコツやることです。苦手なことも得意なことも。“地味な作業だなぁ〜”って思うことのほうが実はすごい大切だったりするんで、何事もムダだとか思わないでコツコツコツコツです。
事業担当
からの
ひとこと
“感謝の気持ちを忘れないこと”“音楽で鳥取を盛り上げたい”と語っていただいた浦池さん。お話を伺っていて、浦池さんの音楽に対する熱い思いがひしひしと伝わってきました。コンサート当日は、そんな浦池さんのステキな歌声が未来中心の大ホール一杯に響き渡ることでしょう。
灘尾 彩(なだおあや)
		  (米子市出身)
		  チェロ
		  平成19年度 管弦打楽器オーディション
		  知事賞受賞
		  力強く優しい演奏をお届けします!
音楽をはじめたきっかけを教えてください。
もともとはピアノを習っていたのですが、低音の感覚を養うために何か低音の楽器を始めようということになりまして、それで選んだのがチェロでした。ピアノのために始めたはずなのに、いつの間にかどんどんチェロに興味がわいてきまして…今ではすっかりチェリストです(笑)。
そこまで灘尾さんをとりこにしたチェロの魅力とは?
“チェロの音色”です。癒されるし、落ち着くし…それと、チェロって一人で練習するというよりは、集まって練習することが多いので、仲間・友達がすぐにできます。わいわい楽しく練習しています。
音楽以外で興味のあることはありますか?
ウチにいる犬とのお散歩ですね。特に行き先を決めずに歩き出します。そうしたら2〜3時間はいつも平気で歩きっぱなしで、“こんなところまで来てしまった〜”という感じです。もうお散歩じゃないですね(笑)。
コンサート当日はここに注目してほしい!というところは?
“チェロの音色”を聴いていただきたいですね。それと、今回演奏する“エルガーのチェロ協奏曲”は、デュ・プレという女性のチェリストの方の演奏が特に有名で、とても女性的なイメージの強い曲なんです。今回は、私なりに”力強く優しい演奏”ができればと思っているので、そういうところを是非、聴いていただきたいです。
事業担当
からの
ひとこと
既存のイメージにとらわれる事なく“自分流”に演奏したい!と意気込みを語っていただいた灘尾さん。終始笑顔で気さくにお話いただきましたが、この言葉が出た時の力強い表情が印象的でした。コンサート当日の灘尾さんの演奏に注目です。
【音楽】【歌劇】演奏曲の紹介
■安部 可菜子(ピアノ)
ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18
◎ ラフマニノフ
その屈指の美しさによって、協奏曲作家として名声を打ち立てたラフマニノフの出世作。
あらゆる時代を通じて最も偉大なピアノ協奏曲と称されている。
■浦池 佑佳(ソプラノ)
歌劇「蝶々夫人」より『ある晴れた日に』
◎ プッチーニ
明治の長崎を舞台に、15歳の芸者だった蝶々さんとアメリカ海軍士官との非恋を描いた「蝶々夫人」の中で歌われる、あらゆるオペラの中でも1、2を争うほど有名なアリアである。
歌劇「ドン・カルロ」より『世の虚しさを知る神』
◎ ヴェルディ
重厚な音楽によってヴェルディ中期の傑作として高く評価されている歌劇「ドン・カルロ」からクライマックスへと続く場面で歌われる名アリアである。
■灘尾 彩(チェロ)
チェロ協奏曲ホ短調 作品85
◎ エルガー
数あるチェロ協奏曲の中でも有名な作品のひとつ。
エルガーの作品の中では最もしめやかで非嘆に満ちた作品となっている。
地元アーティスト支援事業・第6回鳥取県総合芸術文化祭主催事業
第2回知事賞受賞者コンサート
鳥取県の若き至宝 with 大阪センチュリー交響楽団
〜夢の瞬間(とき)をあなたとともに〜
2008年11月16日(日)開場17:30 開演18:00 終演(予定)20:00
■会場
倉吉未来中心大ホール
●〔チェロ〕
 灘尾 彩(米子市出身)
●〔ソプラノ〕
 浦池 佑佳(鳥取市在住)
●〔ピアノ〕
 安部 可菜子(米子市出身)   (出演順)
(指揮者)金 洪才
(オーケストラ)大阪センチュリー交響楽団
■チケット(全席自由)
一般 :2,000円(1,500円)
小学生〜高校生 :500円
※( )内は、財団友の会、団体10名以上料金
※未就学児の入場はご遠慮ください。
※当日200円増(一般、友の会・団体のみ)
■プレイガイド
【中部】倉吉未来中心、パープルタウン、トミヤ楽器店、はとや楽器、三響レコード
【東部】とりぎん文化会館、エル・パパ(イオン鳥取北店)、アコヤ楽器店、ミュージックロータリー・アコヤ
【西部】ビッグシップ、今井書店(本の学校、本通店 青杏文庫)、河合楽器米子店、サウンドらぱん
※8月号アルテのプレイガイドにエル・パパ(ジャスコ日吉津店)を掲載しましたがプレイガイドではありません。ご了承ください。
託児サービス(無料・要予約)申込締切 11/2(日)
お問合せ先:倉吉未来中心(0858)23-5391

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