2007年12月 |
パイプオルガンは鍵盤をそっと押しても強く叩いても音量は同じで、反対に指の離し方で曲ががらりと変わります。指先に鍵盤の抵抗を感じたり、音の鳴り終わりに耳を澄ませたり、これまで使ったことのない末端神経を使い、ピアノに慣れた自分の指がままならないことに驚きます。一音を鳴らす難しさをこれほど痛感させられ、その魅力に惹きこまれるとは思いませんでした。不自由さの中に身を任せる。騒々しい現代社会にいて、一音に耳を澄ますことをしばらく忘れていた身には、はっとさせられるようなお話を伺いました。 バロック音楽が、過ぎ行く年を惜しみ、新年を迎える良い手助けとなりますように。 (文化事業課 伊藤) |
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