鳥取県民文化財団情報誌 アルテ
2007年07月
アルテとはスペイン語で「芸術・美術・技巧」などの意味で、英語では「アート」。アルテでは、県民文化会館をはじめ鳥取県内の文化施設のイベント情報を紹介しています。

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 日本の習い事は6歳の6月6日に始めると芸が上達するといいます。かくいう私もこの歳から日本舞踊を習い、3年余後「踊りの間を勉強したいので三味線を習いたい」と生意気なことを言い出し、長唄と三味線を始めました。3回でできないと三味線の「撥」で師匠に叩かれた記憶があり、現代では考えられない古典的な稽古法です。三味線の「棹」にはギターのように音階を印したコードがなく、左腕と左脇の身体をすべて使って、自分の感覚だけで音を探さなくてはなりません。ビシッとはまった音のポジションのことを「ツボ」といいますが、ツボに入る音は「さわり」のついた調弦された三味線全体によく響きます。(注・さわりとは棹の上部と音締の中間にあり、糸に響きの余韻がでるように調整を行う部所です)そのポジションの部分を「勘所」といいます。「あの人は三味線の勘所がいいねぇ」というのは三味線という楽器がよく鳴っていて、心地よいところに音階が決まるということを表しています。緩急自在に曲を進行させながら自分の感覚だけを頼りに弾くわけですからこれが大変です。三味線が身体の一部分にならないとなかなかうまくいきません。そんな「勘所」の意味からこのコラムのタイトルをつけました。常に鳴り響くコラムでありたいということを思いつつ書き進めています。



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