指定管理者制度が導入され、民間の企業が公立文化施設の管理運営を担うようになって、一企業の役員が公立文化施設の館長職を勤めるケースが見られるようになった。例えば、香川県民ホールは公募により、地元不動産会社の?穴吹エンタープライズが指定管理者となり、職員15名がホールに出向している。同社の執行役員であり、館長を務める水谷正裕氏は、経営学を大学に学び、演劇研究会で照明プラン・操作を担当、銀行員を17年経験後、不動産業に転進したユニークな経歴を持つ。文化芸術活動も熱心で、県芸術祭の企画委員・所有ホテルでのコンサート企画・大学でアートマネジメントを教えるなど、地元文化に貢献が深い。バランス感覚に優れ、人柄も厳格温厚で人情に厚く、ビジネスとしての会館運営を考えられる一方で、公立施設での文化振興とは何か、という公益的な文化事業の捉え方もきっちり整理できている。館長として申し分のない、品格と、センスと、哲学、を持ちあわせている。話していると心が和むというか、温かい雰囲気に包まれ | |